猫のキモチを知る② 猫のキモチ辞典

第3章 猫のキモチを知る

ここでは、私たち猫が見せるちょっとした態度や仕草を、人間にわかるように言葉で説明してみたいと思います。
ぜひこの機会にしっかり覚えて、私たち猫とのコミュニケーションがスムーズになることを願っています。
※一般的な猫の仕草についての説明です。猫の性格や個体差によって必ずしも当てはまるとは限りません。

猫のキモチ辞典②

●高いところに登る

食器棚や冷蔵庫の上など、高いところに登るのが好きな猫は多いです。
私たち猫は本来、外敵の存在にいち早く気付き、身を守るために高い木の上などで休息していたので、本能的に高い場所で過ごすと落ち着くのです。
そのため、完全室内飼いの猫の場合は、飼い主さんの行動を把握するために部屋全体を見渡せる場所でくつろぐこともあるようです。そんな飼い主さんは、常に私たち猫に見張られているということをお忘れなく(笑)

●尻尾を大きくパタパタ振る

一般的には、尻尾を素早く左右に振っているときは、不機嫌な時が多くイライラしていることが多いです。あまり近づかない方がいいでしょう。ふり幅が大きいほど不機嫌の度合いは高くなります。
ただ、猫それぞれの個性によってこういったしぐさによる感情はまちまちです。
しっぽを振っていても機嫌がいい輩もいます。

●ごはんに砂をかける

ごはんに砂をかけるような仕草は、ごはんが美味しくない!という意味ではありません。お腹いっぱいだから後から食べようと思っていることの方が多いです。
ただ、隠しておいたつもりでも忘れてしまうことも多いのであまり気になさらず。

●くねくね、ゴロゴロ

私たち猫が、飼い主さんの足元でくねくねゴロゴロしていたとしたら、それは甘えたい場合が多いです。思いっきりワシャワシャしてあげて結構です。ただし、やり過ぎると気分を害して逆に咬まれたりすることもあるので要注意です。
また、飼い主さんがパソコンで作業をしていたり、雑誌や新聞を読んでいると邪魔をする猫がいますが、「この人は私のことが好きに違いない」という自信をもって邪魔をしているので、キモチを察し
てあげてください。
好きな人に構って欲しいという気持ちの表れなのですから(笑)

●突然走り出す

私たち猫は、ついさっきまでゴロゴロと寝ていたのに突然猛ダッシュで走り回ることがあります。この行動は猫が何かを見つけた時や驚いた時の他に、エネルギーを消費するための行動だと考えられていますが、私には確かなことはわかりません。ただ無性に走りたくなるのです(笑)
特に完全室内飼いの猫の場合、どうしても運動不足になりがちなので、動き回りたい!という欲求が強く、猫によっては尻尾を膨らませながら部屋中を走り回り「遊ぼう!」と飼い主さんを誘っている
場合もあるようです。
他にはストレスが溜まっている、ノミやダニの影響で体が痒いという場合もありますので、様子がおかしい場合はしっかりと観察して原因を突き止める必要があります。

●カラダをスリスリ寄せてくる

私たち猫の頬と顎には匂いの分泌腺があって、ここからフェロモンが分泌され、猫同士の友好的な関係を示すコミュニケーションに使われています。
人間にスリスリするときは機嫌がいい時で、相手への好意も含まれていますが、自分の匂いをつけることで「コイツはオレのものだ」というキモチも含まれています。
だから外から帰った時に気に食わない匂いがするときは、何度もスリスリして自分の匂いでそれを消そうとします。
何度もスリスリしていると「寂しかったんだね~」と言われますがそれは違います。
悪しからずです。

●布団フミフミ

前肢でフミフミするのは、子猫の頃に母猫のお乳をモミモミしていたころの名残りです。布団や毛布の上で柔らかくて温かくて気持ちいい状態になると、お乳を飲んでいた気持ち良い感覚を思い出して、ついフミフミをしてしまうのです。
これけっこう恥ずかしいですが、フミフミしている時はシアワセを感じているので、そっとしておいてもらえると嬉しいです。

●尻尾をピーンと上に立ててすり寄る

私たち猫が子猫の頃、尻尾を上げて母猫がお尻を拭いてくれていた名残りと言われていますが、このことから、尻尾を立てるのは相手に対して親愛の情を抱いているときです。
大人になってからも、気持ちが子猫モードになって甘えたくなると、つい、尻尾が上がってしまうのです。
ちょっと恥ずかしいけれど(笑)

●香箱すわりをしているとき

まさか香箱座りがどんな座り方か、わからないってことはないでしょうね?
前肢を折りたたんで、まったり顔で座るアレですよ、アレ。
答えも言ってしまったけど、私たち猫がまったりしてる状態です。
前肢を折りたたんでいるというのは、敵が来てもすぐに戦えない状態ということなので、相当リラックスしているという証拠なのですよ。

●飼い主さんを舐める

私たち猫は、敵のことは絶対に舐めませんので、舐めるといことは信頼関係が築けているというサインです。
指先をぺろぺろと舐める、寝ている飼い主さんの顔を舐めるなどはすべて愛情表現と受け取ってもらって構いません。

●机の上からモノを落とす

ひと言でいうと、好奇心を満たしているということでしょうか。
どんな動き方や音がするのかなって、何気なくやってるだけなので深い意味はありませんよ。
別に飼い主さんへのイジワルではありませんので悪しからず。
モノを落とすしぐさがカワイイと言われますが別に意識してやってません。
あ、でもたまに、カワイイだろ?って意識してる輩もいるかもしれません(笑)

●お腹を見せて寝そべる

私たち猫にとってお腹は、敵から守るべき部位です。内臓を攻撃されるとアウトなので、敵意を感じた相手にお腹を見せることはありません。
それゆえ、猫があおむけになってお腹を無防備にしていたら、「あなたを信頼していますよ」という意味になります。
お腹を見せながらクネクネして「遊んで」というときもありますが、私たち猫は気まぐれなので急に気分を害してガブッてやるときもあります。ほとんどは無意識にガブッてやってるので憎しみとかはないのですが気分を害してたらゴメンナサイ!お腹を触るときは注意してくださいね。

●知らない人が来ると隠れる

私たち猫は危険や恐怖にとても敏感な生き物です。知らない人が家に来ると、とりあえず隠れて様子を伺うという行動を取ることは多いです。
慣れたら自分から出ていくので隠れてる猫を無理やり連れ出すのはやめてくださいね。
まぁ中には知らない人でも自分からどんどん出て行くまったく無警戒な猫もいます。
ここにもその猫の性格が出ますね。
※イラスト/しげるさん(イラストAC)