室内飼いについて
私たち猫は十分な食料と安全な寝床があれば、外へ出てウロウロしたいと思わない動物です。外には、様々な危険がありますからね。
他の猫とのケンカによってケガをする可能性や、感染症にかかる心配や、車などに轢かれる事故に遭う危険性、そして心ない人間からの虐待を受ける可能性もあります。
他の家の敷地内で排泄やいたずらをしてしまうこともあるでしょう。
このようなことは無論、イケナイことです。
完全室内飼いをすることは、猫にとっては何も苦痛なことはありません。家の中に快適な空間(広さと高さ)と十分な食餌、快適なトイレがあれば、わざわざ外へ出なくても良いのです。
家の中に必要なものがあれば猫は縄張りを広げたいとも思いません。家の中で過ごすことは「閉じ込める」ことではありません。
家の中だけで十分に快適な暮らしができるのだと飼い主さんが認識することが大切です。
犬との同居
犬との同居は、比較的うまくいくケースが多いようです。
私たち猫と犬とでは習性が全く違うので、同じ空間でも上手に棲み分けができるからだと考えられます。
本物の親子のように寝床を共にしたり、一緒に遊んだりと、仲良く暮らしていることもあります。
初めて犬を見て威嚇をする猫もいますが、徐々に対面させて慣れさせていきましょう。
個体差もありますが、すんなり犬と仲良くなれる猫もいます。
人馴れしていない保護猫が人に慣れるより先に同居犬(しかも大型犬)に慣れて、人には威嚇するのに犬にはゴロゴロ言っていたという話も聞きます。
様子を見ながら、飼い主さんが臨機応変に対応していくことが必要です。
猫の多頭飼育
私たち猫は群れを作らず単独で生活をする動物なので、「新たな1匹」を迎えるのは難しいことがあります。
新入り猫が生後2~3ヶ月の子猫だったり、先住猫と新入り猫がお互いに1歳未満だったりすると比較的うまくいくようです。
成猫同士では、余程相性が良くない限り仲良くなることはないと覚悟して迎え入れましょう。先住猫にしてみれば自分のテリトリーに侵入されているので、攻撃をしたくなる気持ちもあるってことも理解しましょう。
顔合わせのタイミングなども段階を踏んで徐々にお互いを慣らしたりするなどの配慮が必要です。あくまでも先住猫の気持ちを優先に考えて、ゆっくり、少しずつが鉄則と心得て取り組んでください。
多頭飼育では、排泄に関するトラブルがよくあります。それは、単にトイレの数が足りないなどの問題ではなく、メンタル的な面が大いに関係していると思います。
どの猫が粗相をしているのか見極め、少し大げさに構ってあげたり、身体に不調があって粗相をしているのか(その可能性がある場合には病院へ受診してください)トイレ自体の形状や、猫砂、設置環境が気に入らないのか、などについて配慮をしてあげることも大切です。
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※イラスト/しげるさん(イラストAC)